教授あいさつ
教授 増山 寿
教室のHPへようこそ、岡山大学の増山 寿です。岡山大学産科婦人科学教室は、1888年(明治21年)に岡山藩医学館の流れをくむ第3高等中学校医学部産婦人科として開講し、今年で137年目となり、私は第13代目の教授です。これまでに1000名をこえる優れた産婦人科医を輩出し、現在でも同門会員約500名、そして中国四国地方を中心に関西まで40を越える関連病院を擁し地域医療を担っています。また、教室の基本方針を不易流行としており、先輩の先生方が培ってきた本質的な物を大切にしながら、新しい変化を積極的に取り入れる姿勢で、固定観念にとらわれず様々なプロジェクトに取り組んでいます。
今年は、教室にとって大きな出来事が二つありました。一つ目は、第77回日本産科婦人科学会学術講演会を岡山で36年ぶりに開催したことです。本学術講演会の一番大きな役割は、医学生、研修医からシニアまであらゆる世代が、全国から様々な専門領域の産婦人科医が集い、さらに様々な海外の学会から役員や若手医師を迎え、年に一度、世代を超えて、領域横断的に学び、語る場所を創りだすことです。5000名を超える先生方が岡山にお越しいただき、WEB参加者を含めると1万2千人の参加者となりました。二つ目は、20年来の念願であった周産母子センターの拡充です。昨年のNICU,GCU拡充に加え、本年MFICUを設置し、総合周産期母子医療センターに指定されました。名実ともに中国四国の周産期医療の中核として、最後の砦としての臨床に加えて研究、そして周産期医療従事者の育成といった役割をしっかり果たして参ります。
私たち産婦人科医のミッションは、女性の健康を生涯に渡りサポートし,さらに健やかな次世代を育んでいくことです。産婦人科医療は分娩中心の体制から、女性のライフコース全体を支える医療へと進化しており、役割は広がる一方です。その目標に向けて皆で協力し,個人,チームそして教室の歯車がうまくかみ合って発展していくように,“チームワークとバランスを重視した運営”を心掛けています。一人でも多くの仲間が加わってくれることを楽しみにしながら、臨床・研究・教育そして若手の育成に一層励み、伝統ある教室の発展に力を尽くします。どうか宜しくお願いいたします。
2025年10月